監修:琉球大学大学院医学研究科 腎泌尿器外科学講座 教授 猪口 淳一 先生

筋層非浸潤性膀胱がん (NMIBC) の特徴1-6)

粘膜や粘膜下結合組織にがんがとどまっていて、筋層には達していない状態です。

NMIBCは、がんが粘膜(尿路上皮)や粘膜下結合組織にとどまっており、病期(ステージ)は0期~I期に分類されます。

  • NMIBCは、がんが粘膜(尿路上皮)にとどまり、膀胱の内側に盛り上がっている Ta(乳頭状非浸潤がん) 、尿路上皮内で平たく広がっている Tis[上皮内がん(CIS)] 、結合組織まで及んでいる T1  に分けられます。
  • Tis[上皮内がん(CIS)]は、がんが膀胱の内側に向かって盛り上がっていない状態で、悪性度の高いがん細胞が尿路上皮に沿って散らばっています。 Tis[上皮内がん(CIS)]は、大腸がんなど他のがんでは「早期がん」とされていますが、膀胱がんの場合は高リスクであり、しっかり治療が行われます。
  • このように、がんが膀胱のどこまで深く入り込んでいるか(深達度)による分類を「T分類」といいます。
NMIBCの病期(ステージ)とがんの広がり(T分類)
筋層非浸潤性膀胱癌を病期(0期、I期)にわけて、膀胱壁のどこまで浸潤しているか、深達度について示すイラスト
  1. 日本泌尿器科学会・日本病理学会・日本医学放射線学会・日本臨床腫瘍学会編.泌尿器科・病理・放射線科 腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約 第2版.医学図書出版, p10-12, p45-49, 2021.
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