監修:琉球大学大学院医学研究科 腎泌尿器外科学講座 教授 猪口 淳一 先生

筋層非浸潤性膀胱がん (NMIBC) 治療後の定期検査 1,2)

治療後5~10年の間、定期的に検査を行い、再発していないか確認します。

NMIBCは、TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)後も膀胱内の再発*を繰り返して、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)に進展する可能性があることから、治療後のフォローアップ(経過観察)が重要です1)
*治療によって消失したがんが再びあらわれること

  • 初回治療後3ヵ月目に膀胱鏡検査などを行い、その後は5~10年程度、定期的にフォローアップします。
  • 検査の内容や間隔はリスクに応じて決まります。
  • 定期的なフォローアップによって、早期に再発を発見して、早期に治療を行います。 
NMIBC治療後のフォローアップ
膀胱鏡検査を受ける患者さんのイラスト
NMIBCのリスクと初回治療後のフォローアップ:例
低リスク群
膀胱鏡検査
初回治療後3ヵ月目 → 6ヵ月ごと(2年間) → 1年ごと(5年まで) **
中リスク群
膀胱鏡検査 +尿細胞診
初回治療後3ヵ月目→ 6ヵ月ごと(3年間) → 1年ごと(5年まで)**
高リスク群
膀胱鏡検査 +尿細胞診
3ヵ月間隔(2年間) → 6ヵ月ごと(3~5年) → 1年ごと(10年まで)**
CT検査
1年ごと(3年間) → 2年ごと(10年程度)

**患者さんの状態にあわせて、その後もフォローアップ

  1. 日本泌尿器科学会 編. 膀胱癌診療ガイドライン 2019 年版. [増補版] 医学図書出版, p28, p118-120, 2023.
  2. 国立がん研究センターがん情報サービス 膀胱がん 療養 https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/follow_up.html (2025年6月閲覧)